革新的な製品、テクノロジー及びサービスを通じてアウディは、モビリティの未来を創り出す課題に積極的に立ち向かい、“Volsprung durch Technik”のブランド哲学を具現化しようとしています。そこでアウディが重視しているものは、単に燃料消費とCO2排出量の削減し、限られた資源の有効活用を図るというだけではなく、それにドライビングの歓び、スポーティな走り、快適な乗り心地といった価値を融合させていくことです。
【軽量化技術】 長年に渡ってアウディのキーテクノロジーのひとつであり続けてきた軽量設計は、生産車全体のCO2排出量を削減する上でも、決定的な役割を果たします。アウディは、車両の重量削減のために、特定の素材にこだわるのではなく、複数の素材を合理的に組み合わせる道を追求してきました。新型Audi A4とAudi Q7のボディも、そうした方針のもと設計されており、新型のAudi A4セダンとAudi A4 Avantは、旧型と比べいずれも外寸が大きくなっているにもかかわらず、重量は最大120kgも軽くなっています。例えば、1.4TFSIエンジンを搭載したAudi A4 Avantのベースモデルの重量(空車)は、1,370kgしかありません。重量効率に優れた構造に加えて複数の素材を巧みに組み合わせることで、ボディ単体で旧型比15kgの重量を削減しています。また、新型Audi Q7も、プレミアムSUVのセグメントで新たなベンチマークを打ち立てました。超高強度鋼板とアルミを高い比率で使った複合構造のボディにより、車両重量をもっとも軽いモデルで2,000kg以下に抑えており、旧型に比べ最大300kg以上の軽量化を実現しています。
【内燃エンジンの革新】 2015年にアウディは、新しい2.0 TFSI 4気筒エンジンを導入することで、内燃エンジン革新に向けての取り組みの成果をふたたび世に示しました。ターボとミラーサイクルを組み合わせた新しい燃焼方式を採用したこの効率的な2.0ℓガソリンエンジンは、新型Audi A4シリーズに搭載され、140kw(190PS)のパワーと、100km走行あたりの燃料消費が4.8ℓ(日本のJC08モードでは18.4km/ℓ)という非常に優れた効率を実現しています。重量約140kgと軽量に仕上がったこの2.0 TFSIエンジンにはそのほか、2系統に分割された冷却システムや、シリンダーヘッドと一体化された排気マニフォールドなど、新しい機構が採用され、燃費改善に貢献するととともに、暖気時間を大幅に短縮するなどのメリットを生み出しています。
【代替ドライブシステム】 アウディは、従来型の内燃エンジンに代わる代替ドライブシステムの開発にも熱心に取り組んでいます。2015年秋のフランクフルトモーターショーで、アウディはコンセプトカーのAudi e-tron quattroを発表しました。このテクノロジースタディモデルは、エレクトリックモビリティ(広義の電気自動車)に対するアウディの考え方と開発成果を示したものといえます。この分野に関し、アウディはかねてから包括的なアプローチを続けており、例えば、充電テクノロジーの革新もその一環です。Audi e-tron quattroコンセプトには、アウディが開発に取り組んでいる非接触の自動充電システム、「アウディワイヤレスチャージング」(AWC)が採用されています。
【代替燃料の開発】 その一方でアウディは、2009年から、合成燃料の開発にも取り組んできました。ザクセン州南部にあるヴェルテのeガス工場は、その一例です。ここでは2013年以来、グリーンな(化石燃料によらない)電力と水、CO2から、Audi e-gasの名称で知られる合成メタンが生産されてきました。電力からガスを生み出すこの工場では、風や太陽光といった様々なエネルギー源からガスを生成することができます。ドイツですでに販売されているAudi A3 Sportback g-tronのドライバーが、Audi e-gasカードを使ってCNG(圧縮天然ガス)ステーションで燃料の補給を行うと、そこで補給されたのと同量のe-gasがヴェルテの工場からドイツ国内の天然ガスネットワークに供給されます。結果としてそのドライバーは、カーボンニュートラルでの走行をほぼ達成することができるのです。ちなみにAudi A3 Sportback g-tronは天然ガスのほか、一般的なガソリンでも走ることができます。アウディは2016年以降に、さらにAudi A4 Avantをベースとしたg-tronモデルをヨーロッパで販売開始する予定です。
アウディはまた、Audi e-fuel(eフューエル)を呼ばれる、再生可能な合成燃料の開発にも取り組んでいます。2015年にアウディは、外部の開発パートナーとともに、ドレスデンに試験工場をオープンさせました。4か月間試作を重ねた末水とCO2とグリーンな電力をもとに、一切化石燃料を使うことなく、Audi e-diesel(人工合成軽油)を作り出すことに成功しました。その一方、フランス企業をパートナーに、人工合成ガソリンであるAudi e-benzin(eベンジン)の開発にも取り組んでおり、2015年、化石燃料を使わず純粋な人工合成でAudi e-benzinを得ることに成功しました。Audi e-benzinはオクタン価が高く、従来のガソリンよりもエンジンの圧縮比を高くすることが可能で、そのぶん燃費効率の改善も期待できます。 (車両重量などの数値はいずれも欧州仕様のものです)
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