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2016/01/12Technology

2016年北米国際自動車ショーで発表したAudi h-tron quattro concept の概要

完全なゼロエミッションを達成:Audi h-tron quattro concept

卓越した航続性能、素早い燃料補給、スポーティな走行性能:

Audi h-tron quattro conceptは、最大出力110kWを達成した燃料電池と、瞬間最大出力100kWものパワフルなバッテリーを融合させることで、これらの特徴をすべて兼ね備えました。水素の充填は、空の状態から満タンまで約4分で終了し、満タンからの最大航続距離は600kmにも達します。

一方、アウディは、自動運転と自動駐車の技術を飛躍的に向上させ、2017年に発売予定のフラッグシップセダンAudi A8に搭載、市販化します。Audi h-tron quattro conceptは、これら最先端技術の一部をいち早く紹介します。

Audi h-tron quattro conceptは、未来のモビリティへの道に、新たな基準を打ち立てました。電気自動車、プラグイン ハイブリッド、内燃機関エンジン、そして燃料電池を問わず、アウディは常に新たなドライブテクノロジーを構築し、世界中のお客様の希望に合わせたソリューションを提供し続けて来ました。

Audi h-tron quattro conceptは、2015年のフランクフルト モーターショーでデビューした完全なEV SUV、Audi e-tron quattro conceptと密接に関係しています。どちらのモデルもアウディの縦置きモジュールである第2世代のMLB evoに基づいており、今回のモデルでは、さらにフレキシビリティが高められています。まったく異なる技術を使用したモデルであるにも関わらず、両車が実質的に同一のフロアアッセンブリーを使用していることなどが、その一例です。

Audi h-tron quattro conceptでは、アウディとフォルクスワーゲンが開発した第5世代の燃料電池技術が搭載されています。各種素材がより軽量化されたことで車重が低減し、パフォーマンス、レスポンス、サービスインターバル、そして燃費が向上しています。特にエネルギー効率は60パーセントも向上し、今や燃料電池車は内燃エンジンを凌駕しました。積層構造となった330のセルは、車両前方に搭載されます。

3つの水素タンクは、パッセンジャーコンパートメントとラゲッジスペースの下に収納されていますが、室内にはまったく影響を与えません。700バールまで加圧されて収納される充分な水素により、最大航続距離は600kmに達します。

すべてのタンクは、複数の層からなる構造となっています。気密性の高いポリマー製タンクが、カーボンファイバー強化プラスチックで包まれ、さらにその外側にはグラスファイバー強化プラスチックが被せられています。水素充填に必要な時間は、内燃機関エンジンと同程度の約4分間となっています。

パワフルなブースター:バッテリーにより、瞬間最大100kWの出力を発揮

総数が大幅に増加された燃料電池ユニットは、最大110kWの出力を発揮し、それらが供給する電力は、電力放出効率が高められたリチウムイオン電池に蓄えられます。総重量が60kg以下に抑えられた電池は、パッセンジャー コンパートメントの下に収められ、低重心化に貢献しています。この電池は最大出力100kWを誇り、加速時に出力を最大に高めることに貢献します。減速時には、エネルギー回生によって電力が蓄えられます。最大550Nmとなるトルクにより、Audi h-tron quattro conceptは、0-100km/h加速7秒以下、最高速度は200km/hに達します。

燃料電池または高圧バッテリーから供給される電力は、リアアクスルに搭載された出力140kWと、フロントアクスルに搭載された出力90kWのふたつのモーターに供給され、電動quattroシステムを構築しています。インテリジェント マネジメント システムが、その時々の状況に応じ、前後のモーターに配分されるエネルギーを調整し、最大のパフォーマンスと燃費性を両立させます。室内空調用のヒートポンプや大型ソーラーパネル搭載ルーフが、最大で1年につき1000kmの航続距離向上を実現させるに相当する320Wの電力を生み出し、大幅な燃費向上を実現しました。

ドイツ・ヴェルルテのAudi e-gas製造工場から供給される、まったく新しい方法で製造された水素により、二酸化炭素の排出量ゼロを実現

新しいヨーロッパ ドライブ サイクル(EDC)基準では、100kmあたり水素消費量は約1kgとなります。Audi h-tron quattro conceptのエミッション性能は、排気ガスがゼロであるだけでなく、グリーンパワーにより製造された水素を用いた場合には、地球温暖化に悪影響を与える二酸化炭素の排出量もゼロで走行可能です。アウディは、ドイツ北部にあるAudi e-gas工場を通じ、これの実現を可能にしています。

2013年より、この工場では水から水素と酸素を分離する工程で、風力発電によって得た電力を利用しています。さらに次工程では、CNG車のAudi A3 g-tronならびにA4 g-tronの走行に使用される燃料であるAudi e-gas(化学合成メタンガス)を上記工程で抽出された水素にCO2を反応させ生成します。

すでに多くのお客様が、既存のCNG供給ネットワークを通じてほぼCO2ニュートラルな走行が可能となる、Audi e-gasカードを利用しています。そして将来的には、これらの生産過程で生まれる水素を利用した。究極の環境走行が可能になります。

自動運転システムの中枢部:zFAS

Audi h-tron quattro conceptは、その名の通り、これまでアウディが自動運転のために開発した、レーダーセンサー、新方式ビデオカメラ、超音波センサー、レーザースキャナなど、あらゆる技術を集約して搭載し、自動運転の将来についてのコンセプトも提言しています。

現在では、各種ドライバーアシスタンスシステムは個別にコントロールされている場合が多いのですが、将来的に、アウディはすべてのセンサーからの情報をドライバーアシスタンス中枢システム(zFAS)に集約して一元的にコントロールするシステムに統合します。同システムのコンピュータが、車両からリアルタイムに収集されるすべての情報を、ドライバーアシスタンスシステムおよび自動運転システムに活用します。これらの機能は、駐車時から最大60km/hまでの高速道路での渋滞走行をカバーします。

アウディは、この画期的なシステムを2017年には、同システムをアウディのフラッグシップセダンであるAudi A8に採用し市販化を実現します。

時代の先端を走るエレガントな姿:エクステリア

Audi h-tron quattroコンセプトのエクステリアデザインは、美的センスとエアロダイナミクスの見事な融合をアピールしています。全長4.88m、全幅1.93mと大柄ながら、全高はわずか1.54mに抑えられています。フロントから力強い個性を発揮するテールレンズに向かって、まるでクーペの様にテーパー状となったダイナミックなラインがシルエットを印象づけています。さらに張り出したブリスターフェンダーによるショルダーのフォルムが、電動quattroシステムを強く印象づけます。さらに大型フェンダーや力強いサイドシルなども、逞しいキャラクターを強くさせています。

0.27という優れたcd値が、最大航続距離と燃費向上に大きく貢献しています。入念に設計された車両のサイド、下部、そして後部のエアロダイナミスにより、高速走行時に車両周辺に発生する気流の抜けが向上しています。さらに、ドアミラーに搭載されたカメラの形状も、エアロダイナミクスと燃費を向上させるものとなっています。

Audi h-tron quattro conceptのヘッドライトは、2つのセクションに分けられています。上部セクションには、新型の超高解像度マトリクスレーザーライトが搭載されています。下部セクションは、シングルフレームグリルの縁の部分と相対し、ライトの印象を形作っています。

さらに、デイタイムライトが新たな印象を演出するほか、ボディサイドと上部にブルーの光を放つライトには、有機ELを利用しています。ふたつのライトの間には、大型のエアインテークが配されています。

またシルの部分には、リモートコントロールキーを持った人が車両に近づいた際に白く点灯する、マトリックスLEDライトの帯があります。車両が自動運転モードとなっている際、ブルーの水平方向の光がこのシルのサイドの部分に点灯します。フロントのライトセクションと呼応するかのように、リアのライトセクションも2つのパートに分かれています。アッパーゾーンでは、9つの赤い有機ELユニットがテールライトを構成し、その下にも3つのユニットが存在します。

複数構造の調和と機能性向上を融合:インテリア

Audi h-tron quattro conceptのパッケージは、最大4人の乗客に、広々として快適なインテリアを提供し、最大500リッターものカーゴスペースを持ちます。乗車の際には、インテリジェント ソフトウェアがサポートを提供します。2つの小型センサーが、車両に近づくドライバーの持つ荷物の状況を判断し、必要な場合にはテールゲイトに装着されたモニターに、アシストに関するメニューが表示されます。

明るくオープンなイメージで統一された、Audi h-tron quattro conceptのインテリアは、操作とディスプレイ表示の融合をコンセプトにしています。ドライバーの正面には、非常に薄く、あらゆる形状で映像を表示することが可能な有機EL技術を利用した3つのディスプレイが位置しています。さらに、ダッシュボードのセンターには、有機ELを利用したアウディ ヴァーチャルコクピット用の2つのタッチスクリーンも用意されています。ドライバーは、左側のスクリーンを利用してライトと自動運転機能を操作します。右側に設置された大型スクリーンでは、各種のエンタテインメント、ナビゲーションの操作に加え、ドライブシステムのステイタスが表示されます。ステアリングにはさらに機能が増え、スポーク部分にはタッチセンサーが埋め込まれています。

ドライビングモードのセレクターレバーは、センタートンネル上部のコンソール上に設置されています。セレクターレバーの前には、ドライブステイタスやエアコンディショナー、各種設定状況を表示する2つの有機ELディスプレイが配されています。2つのモニターのうち一つは、ジェスチャーコントロール機能が搭載されています。また、ドアトリムの前方部には、デジタル エクステリアミラーが装着されています。

2つのリアパッセンジャーシートは、快適性に優れたセパレートタイプです。リアパッセンジャーは、こちらも有機ELを利用したアウディ タブレットを介して、ドライバーと各種情報を共有出来ます。このタブレットは、モバイル リアシート エンタテインメント システムとしても機能します。

Audi h-tron quattro conceptの特徴

テクノロジー

  • ・回生電力の蓄電や加速力アシストに有効なリチウム-イオンバッテリーを持つ燃料電池システム

  • ・エネルギー効率向上に有効な新素材を活用した、第5世代の燃料電池 システム

  • ・航続距離600kmを誇る、100kmあたり水素約1kgの低燃費。充填所要時間はわずか4分

  • ・燃料電池 ユニット:燃料電池ユニット単体での最高出力110kWに加え、二次電池の最大出力100kWを保有。システム全体の最大トルクは550Nm。

  • ・0-100km/h加速は7秒以下。最高速度は200km/h(リミッター制御)。

  • ・電動quattroシステム:前後のアクスルに独立したモーターを設置。インテリジェントコントロールシステムが、両モーターの出力を自在にコントロール。

  • ・3つのタンクに700barの高圧で貯蔵される水素の最大蓄積容量は約6kg

  • ・アダプティブ エアサスペンション スポーツと22インチホイールを装備

  • ・自動運転とパーキングシステムをドライバーアシスト システム(zFAS)が統合制御

  • エアロダイナミクスとエクステリアデザイン

  • ・リアセクションに向かって絞られた低いグリーンハウスのスポーティなSUVデザイン

  • ・全長4.88m、全幅1.93m、全高1.54mの5ドア

  • ・アンダーボディ、サイド、リアのエアロパーツを可動式、ドアミラーに替わり小型カメラを使用するなど、徹底したエアロダイナミクスを追求し、Cd値0.27を達成

  • ・際立った風切音の制御

  • ・マトリックスレーザーテクノロジーを使用したヘッドライトに加え、前後ライティングに有機EL採用

  • ・世界最大の車載ソーラーパネルを採用。最大320wの発電により、最大で1年につき1000kmの航続距離向上を実現

インテリア

  • ・最適なパッケージング:4名分のゆったりとしたスペース。荷物の素早い収納を可能とする“ラゲッジ バトラー”機能付き、容量500リッターの大型ラゲッジスペース。

  • ・効率の高い室内空調を実現するヒートポンプ

  • ・操作と表示の双方を向上させた、先進的インテリアデザイン

  • ・インストルメンタル パネルに曲面有機ELを採用した、アウディ ヴァーチャルコクピット

  • ・有機ELを採用したアウディ タブレットによる、モバイル リアシート エンタテインメント

  • ・スポークにタッチセンサーを内蔵したステアリング

  • ・多様なネット接続を可能にする、LTE経由によるオンライン コネクト

(この資料はAUDI AG配信プレスリリースの翻訳版です)

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