TFSI（ガソリン）

もっともその後、アウディはTFSIのラインナップを、3.0ℓV6など、上級の多気筒エンジンにまで拡大したため、「小排気量」は必ずしもTFSIの条件ではなくなりました。さらに今日、アウディは「ライトサイジング」という「進化した」コンセプトを掲げ、TFSIの新たな発展を図ろうとしています。 その「ライトサイジング」のコンセプトを具現化した最初のアウディエンジンが、新型Audi A4とともにデビューした2.0 TFSI（140kW / 190PS仕様）です。これは、バルブタイミングの設定により、低～中負荷領域において圧縮工程を短縮する、いわゆる「ミラーサイクル」と、過給ガソリンエンジンとしては異例に高い圧縮比、ポート噴射と気筒内噴射を組み合わせたデュアルインジェクション、高負荷領域では圧縮工程を通常に戻して排気量に見合ったパワーを発生させる可変バルブタイミング（アウディバルブリフト）といった機構を組み合わせることで、燃費効率と出力性能をかつてない高いレベルで両立させています。この新開発の2.0 TFSIを搭載した新型Audi A4は、日本のJC08モードでも18.4km/ℓという好燃費を達成していました。アウディは、これと同様の燃焼方式を、2016年春に発表した新型Audi S4用の3.0 TFSIユニット（V型6気筒）エンジンにも採用しており、今後もこの新技術を搭載するモデルを増やしていく予定です。