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2017/03/06Technology

40年以上の歴史を持つアウディ5気筒エンジン

  • 1976年に136hpを発生する最初の5気筒エンジンをAudi 100に搭載
  • 量産モデルへの搭載およびラリー参戦において大きな成功を収めたコンセプト
  • 2.5 TFSIは7年連続で「エンジン オブ ザ イヤー」を受賞

アウディは今から41年前に、最初の5気筒ガソリンエンジンを第2世代のAudi 100に搭載しました。その後、ターボチャージャー、エミッションコントロール、4バルブテクノロジーといった新技術の採用、ラリー用エンジンや5気筒ディーゼルエンジンの開発など、継続的なパワーアップと改良が続けられてきました。今日この長い伝統を受け継ぐ5気筒エンジン 2.5 TFSIは、Audi RS 3 Sportback、Audi RS 3 Sedan、Audi RS Q3及びAudi TT RSに搭載されています。

アウディの5気筒エンジンは、モータースポーツにおける成功の歴史や高い信頼性/経済性などにより、類いまれな存在感を備えたエンジンとして知られています。このエンジンは、アウディのスローガンである「Vorsprung durch Technik」(技術による先進)を定義する上で重要な役割を果たしていると同時に、その特徴的なエンジンサウンドにより、ドライバーの感性を刺激する走りを提供します。

最初の5気筒ガソリンエンジンは、1976年にAudi 100(第2世代)に搭載されました。Type 43という社内コードで知られるそのモデルは、市場において旧モデルよりも上位のポジショニングが与えられ、それまで搭載されていた4気筒エンジンはこの新しいモデルには適さないという判断が下されました。そのため、1970年代の初めにアウディのエンジニアは、直列5気筒および6気筒エンジン投入の可能性を検討し始めました。しかし、6気筒エンジンに関しては搭載スペースおよび重量配分の問題により、搭載が見送られることになり、新しいEA 827エンジンコンセプトをベースにした5気筒直列エンジンの開発が決定されました。その当時、フォルクスワーゲングループでは、Audi 80及びAudi 100を含めて、直列4気筒エンジンが幅広いモデルに搭載されていました。このエンジンから派生した5気筒エンジンは、2.1ℓの排気量から100kW(136hp)の最高出力を発生。現代的なインジェクションシステムが採用された結果、効率性とパワーが向上し、1977年3月にはAudi 100 5Eが発売されました。

1978年には、早くも最初のディーゼルバージョンが発表されました。この自然吸気エンジンは、2.0ℓの排気量から51kW(70hp)の最高出力を発生。さらに翌年には、ターボチャージャーを搭載した最初の5気筒ガソリンエンジンがデビューしました。このユニットは、現代へと受け継がれる先駆的なエンジンの一つとなっています。最高出力125kW(170hp)、最大トルク265Nmを発生したこのエンジンは、アウディの新しいフラッグシップモデル、Audi 200 5Tに搭載されました。

1980年、この5気筒ガソリンエンジンは、「Ur-quattro」(初代クワトロ)に搭載され、さらなる進化を遂げることになります。このクルマには、ターボチャージャー、インタークーラー、フルタイム4WDシステムをはじめ、サーキット及び公道用のパワフルな技術パッケージを搭載。当初、このエンジンは147kW(200hp)を発生しました。1983年には、Ur-quattroを駆ったフィンランド人のハンヌ ミッコラが、WRC(世界ラリー選手権)でドライバーズタイトルを獲得。同年、トレッドを広げ、ボディを24cm短縮したSport quattroが発表されました。このモデルには、225kW(306hp)の最高出力を発生する新開発アルミニウム製4バルブ直列5気筒エンジンが搭載。それにより、Sport quattroはドイツメーカーが開発した市販車の中で、史上もっともパワフルなクルマとなりました。また、このモデルは新しいグループBラリーカーのベースにもなりました。4バルブユニットを採用したこのラリーカーは、参戦当初から331kW(450hp)の強力なパワーを誇りました。このマシンが実戦に投入されたのは、1984年シーズンの最後から2番目のラウンドとなったアイボリーコースト ラリー(開催地:コートジボアール)でした。アウディは、それまでの11ラウンドをスウェーデン人のスティグ ブロンクビストがドライブする、265kW(360hp)のグループB Audi quattro A2で参戦。最終的に彼はドライバーズタイトルを獲得し、アウディもマニュファクチャラーズタイトルを獲得して2冠に輝きました。

1986年にアウディがラリーから撤退した後も、モータースポーツにおける快進撃が止まることはありませんでした。1987年には、米国の伝統的なレース、パイクスピークヒルクライムで、Audi Sport quattro S1(E2)を駆ったヴァルター ロールが優勝。このレーシングカーは、440kW(598hp)の最高出力を発生していました。さらに、1989年には米国ツーリングカーレースのIMSA GTOに、わずか2.0ℓ余りの排気量から530kW(720hp)ものパワーを発生するマシンで参戦し、旋風を巻き起こしました。

1989年、アウディはフランクフルトモーターショーにおいて、自動車史に残る歴史的なモデル、Audi 100 TDIを発表。このクルマは、完全に電子制御された5気筒直噴ディーゼルターボエンジンを搭載した初の量産モデルとなりました。このエンジンは、2.5ℓの排気量から、88kW(120hp)の最高出力を発生。アウディは、5気筒ガソリンエンジンのラインナップを継続的に見直し、1994年には、最高出力232kW(315hp)のエンジンを搭載したAudi RS 2が市場に投入されました。このクルマは、スポーツカーと同等のパワーを備えたAvant(ステーションワゴン)モデルとして、新たな自動車セグメントを切り拓きました。

1994年には、Audi A4(B5)の発表と共に、ドイツBセグメントから5気筒エンジンが姿を消すことになります。1990年代の半ばに、5気筒エンジンは徐々に新しいV6エンジンに取って代わられていました。1997年には、最後の5気筒エンジン搭載モデルAudi A6(2.5 TDI)及びAudi S6(2.3 Turbo)の生産が終了しました。

しかし、2009年にはターボチャージャーとガソリン直噴技術を採用した5気筒エンジンがAudi TT RSに搭載され、大きな話題と共に復活を果たします。quattro GmbHによって開発されたこの横置きエンジンは、2.5ℓの排気量から250kW(340hp)の最高出力を発生。その後、この高性能エンジンは、RS 3 Sportback及びRS Q3にも搭載されることになります。2012年に発表されたTT RS plusには、265kW(360hp)という印象的なパワーを発揮するエンジンが搭載されていました。現在、Audi TT RSに搭載されている2.5 TFSIは、294kW(400hp)を発生し、新型のRS 3 SedanとRS 3 Sportbackにも採用されます。この2.5 TFSIエンジンは、国際的な自動車ジャーナリストから構成される審査委員会によって、7年連続で「エンジン オブ ザ イヤー」に選ばれています。

アウディ5気筒エンジンの歴史についてはPDFをご参照ください。

*2017年3月 この資料は2016年8月にAUDI AGが発表したものを一部更新したものです。

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