Audi tron

一方、プラグインハイブリッドシステムを用いたAudi e-tronの最初のモデル、Audi A3 Sportback e-tronは、2014年末（日本では2015年秋）に市場導入されました。このモデルは、出力110kW（150hp）の1.4 TFSIエンジンと出力75kW、最大トルク330Nmの電気モーターとを組み合わせることで、最大150kW（204hp）のシステムパワーを発揮。スポーティな走行性能とハイブリッドならではの高い燃費効率、さらにEVのようなエミッションフリーのドライブをともに実現することに成功しています。フル電動モードでも、Audi A3 Sportback e-tronは最長50kmの距離を走行することができます。これに続き2016年には、ドイツなどで、第2のe-tronモデルであるAudi Q7 3.0 TDI e-tron quattroが発売されています。V6 TDI及びquattroドライブとの組み合わせでは初となるこのe-tronモデルは、電気モーターの力だけで、最長56kmの航続を可能にしています。また、アジア市場のために、それとは別にAudi A6L e-tron（中国専用）とAudi Q7 e-tron 2.0 TFSIがそれぞれ開発されており、近々発売される予定です。

アウディはまた、2014年に、フューエルセル（水素燃料電池）テクノロジー を使ったアウディ初のスタディモデルであるAudi A7 Sportback h-tronを世界初公開しました。この新しいテクノロジー開発のための実験車は、2つの電気モーターを搭載し、フューエルセルと高電圧バッテリーをエネルギーソースとして使って、1回の給油で500km以上の航続を可能にしています。2016年１月の北米国際自動車ショーには、スタディモデルのAudi h-tron quattroも発表。このコンセプトモデルは、110kWの出力を持つ効率的なフューエルセルと、一時的に100kWのパワーブーストを提供するパワフルなリチウムイオンバッテリーを搭載しており、燃料である水素を補給するのに要する時間はわずか約4分で、航続距離は最大600kmに達します。