アウディは現在、自動車のドライブ機構の大胆な革新をテーマに、エレクトリックドライブを始めとする新しいドライブシステムの開発に力を注いでいますが、その一方で、従来型の内燃エンジンの改良、刷新にも強い意欲を持って取り組んでいます。というのも、電池を始めとするエレクトリックドライブのテクノロジーが、コストを含めより実際的なものとなり、電気自動車が市場で支配的なシェアを得るようになるまで、まだかなりの年月を要すると思われるからです。その一方で、内燃エンジンをさらに効率的なものにできる可能性は、依然として大きく開けています。事実、過去十数年ほどのうちにも、内燃エンジンを搭載したアウディモデルの燃料消費は、大幅に削減されています。
そこでカギとなっているのは、気筒内直接噴射(直噴)システムと過給システムを組み合わせることで、内燃エンジンから効率的にパワーとトルクを引き出し、優れたドライバビリティと卓越した燃費効率を両立させるテクノロジーです。アウディでは、直噴システムと過給器を装着した効率的なガソリンエンジンをTFSIと呼び、同じく直噴とターボチャージャーのシステムを備えたディーゼルエンジンをTDIと呼んで、パワーユニットの2つの柱にしてきました。
そのうちTFSIについては、2005年にAudi A3で初導入して以来、搭載モデルを順次拡大し、現在はAudi R8を除くすべてのアウディモデルに設定されるまでになっています。最新のAudi A4に搭載された新開発の2.0 TFSIユニット(140KW / 190PS仕様)は、ミラーサイクルと高圧縮比、デュアルインジェクション機構などを組み合わせた新しい燃焼方式を採用し、さらに大胆に燃費効率を向上させました。
一方、TDIの歴史はTFSIよりも長く、1989年に、乗用車では初の直噴ディーゼルエンジンを搭載したシリーズ生産モデルとして登場したAudi 100 2.5 TDIが最初でした。かつてない低燃費と高性能を実現したTDIの登場により、ディーゼルエンジン搭載車の人気は、市場で俄然高まるようになりました。以来今日までに、累計800万台 を超えるTDIモデルが生産されています。
もうひとつ、ドライブシステムの分野でアウディの先進性をを象徴するテクノロジーが、quattro (フルタイム4WD)システムです。1980年にAudi quattro、通称ビッグクワトロとともにデビューを飾り、その翌年からビッグクワトロが世界ラリー選手権(WRC)に参戦して、ライバルを圧倒するほどの大活躍をみせたため、ロードカーの世界に革命がもたらされることになりました。パーマネント4輪駆動の安全面、運動性能面でのメリットは、いまや万人が認めるようになり、大馬力エンジンを搭載する多くのスポーツモデルが、同様のメカニズムを採用するようになっていますが、それでもパイオニアであり、システムの洗練化のために日々努力を重ねているアウディの優位は揺るぎないものがあります。今日quattroシステムは、高性能スポーツカーのAudi R8から最小のAudi S1まで、ほとんどすべてのアウディのモデルシリーズで選択することができます。
ドライブシステムの分野で、さらにもうひとつ忘れてはならないアウディの先進技術が、Sトロニックです。2つのクラッチを巧みに使い分けることで、トルク断絶のない、クイックでスムーズなギヤチェンジを実現したこのオートマチックトランスミッションも、マニュアルギヤボックスに匹敵する伝達効率を含め、スマートでスポーティなアウディブランドを象徴するテクノロジーのひとつといっていいでしょう。
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