- アウディは、世界各国のさまざまな電力網を再現するグリッドシミュレーターを備える充電パークを持つ最初の自動車メーカー
- アウディの技術開発部門は、アウディを販売する世界各国の電源条件をシミュレーションした環境下で電気自動車の充電テストを実施
- 試験結果は研究開発に直接反映
- ボッシュ・レックスロスがパートナー企業Schmidbaurと共同開発
*本リリースは、AUDI AG配信資料の翻訳版です。
(ドイツ本国発表資料)2025年1月29日、インゴルシュタット:110ボルトや230ボルト、50ヘルツや60ヘルツといった異なる条件でも、ドイツ・インゴルシュタットのアウディでは、あたかも中国やアメリカ、その他世界各国にいるかのように電気自動車を充電することができます。インゴルシュタットの新しい充電試験センターでは、アウディの技術開発部門が、世界各国の販売地域の電源条件を再現してアウディの電動モデルをテストしています。その結果は、車両の研究開発に直接反映されます。これにより世界中どこでも、お客様は常に最適な充電体験をすることができます。
アウディは、柔軟に調整することができるグリッドシミュレーターを運用する最初の自動車メーカーのひとつとして、インゴルシュタットの本施設の運用を年初から開始しました。このシミュレーターは、技術開発部門の充電試験センターの中核を担っており、同センターには複数の国のさまざまなメーカーの充電ステーションが設置されています。グリッドシミュレーターがあることで、EU圏外の充電ステーションも、必要な電圧や電力網の構成に応じた運用が可能です。これによりアウディは、世界各国の販売地域における実際の条件を再現したフィールドテストを実施できます。この電力網シミュレーションは、ボッシュ・レックスロスとパートナー企業であるSchmidbaurが共同で開発したものです。
世界の電力網における主な違い
どの国でも電気はコンセントから供給されますが、各国のコンセント形状を見れば、すべての電気が同じではないことがわかります。これは、電力網の構成、電圧、周波数が、国や地域によって異なるためです。
例えば、北米で一般的な120ボルト60ヘルツ用の機器は、ヨーロッパ標準の230ボルト50ヘルツでは作動しません。「グリッドシミュレーターにより、アウディの電動モデルが米国や中国の充電ステーションでも正常に充電できるかをテストできます」と、プロジェクトマネージャーのダニエル エッティンガー(Daniel Ettinger)は説明します。
この柔軟性の高い500 kWのシミュレーターは、ボッシュ・レックスロスがアウディと共同で、アウディ専用に開発したものです。100ボルトから540ボルト、周波数40ヘルツから65ヘルツの範囲で電力を供給することができます。また、単相、二相、三相の電力網に対応し、スプリットフェーズ(分割単相)での運用も可能です。
アウディのエンジニアは、自社の工場敷地内にある充電試験センターでグリッドシミュレーターを活用し、電気自動車と充電ステーションの相互作用について重要な知見を得ています。ここで得られた知見は、車両ソフトウェアを世界各地の充電ステーションに適合するように最適化したり、アウディの電気自動車の充電性能をさらに向上させたりするために活かされています。この取り組みにより、海外での大規模なテストの必要性が減少し、時間とコストの削減につながると同時に、それぞれの地域の条件に個別に対応した充電体験が提供されるため、世界中どこにいても、より急速かつ簡単な充電が可能になります。