- AIを活用したスポット溶接の品質管理テストを、市販モデルの生産工程でクリア
- フォルクスワーゲン グループは、AIを使用した品質管理工程の設置を水平展開
- 専門家チームと協力して、監査および認証証明プロセスと生産に関するAIガイドラインを策定
(ドイツ本国発表資料)
2023年6月30日、ネッカーズルム:アウディは、生産活動におけるデジタル化を進めています。AI(人工知能)を導入したパイロットプロジェクトの成功を受けて、グループ内の車体製造におけるスポット溶接の品質管理に、このシステムを水平展開します。今回導入されるAIは、ネッカーズルム拠点開発され、テストが行われました。年末までに、フォルクスワーゲン グループの他の3つの拠点にも、AIを導入する品質管理工程を設置する予定です。このプロジェクトは、アウディが立ち上げた「Automotive Initiative 2025」(AI25)の活用事例としても機能します。
アウディはネッカーズルム拠点で、AIを活用することにより、シフトごとに300台の車両の約150万か所のスポット溶接の状態を分析します。これまでは、生産スタッフが超音波を使用して、抵抗スポット溶接(ドイツ語の略語:WPS)をランダムに選択してデータを分析、品質を手動で管理、車両1台あたり約5,000か所のスポット溶接を検査していました。今後新たにAIの採用により、生産スタッフは溶接異常の早期発見に集中できるようになり、より効率的かつより的を絞った方法で品質を管理できるようになります。
フォルクスワーゲン グループの他の工場でも、このテクノロジーを使用する準備がすでに始まっています。例えば、AI活用の技術インフラは、アウディ ブリュッセルに導入されています。フォルクスワーゲンのエムデン拠点は、今年インゴルシュタットのアウディ本社と同様に、必要な機器を設置する予定です。このために専門家チームは、各拠点における溶接設定の違いを見出し、AIモデルの再訓練を実施しています。
AIによって生成されるデータは、将来他のプロセスの最適化にも使用できます。例えば、現在アウディでは、生産設備のメンテナンスの予測の基礎として、データを使用することに取り組んでいます。AUDI AG生産およびロジスティクス担当取締役 ガード ウォーカーは、次のように述べています。「デジタル化された組立ラインは、アウディの将来の生産ビジョンの基盤となります。生産戦略360factoryの一環として、世界中のアウディ拠点における生産をさらに効率化します。この点において、量産におけるAIの活用は大きな可能性を秘めています」。
ドイツ品質協会、フラウンホーファーIAO、フラウンホーファーIPAとの緊密な連携
プロセスを監査して認証の裏付けとなる基準を満たすようにするため、ネッカーズルム拠点での開発は、ドイツ品質協会(DGQ)、フラウンホーファー産業工学研究所(IAO)、フラウンホーファー生産技術・オートメーション研究所(IPA)と緊密に連携して行われました。このようなアプローチを採用する背景には、現時点でAIアプリケーションに関して、独立機関によって発行される標準や認証が存在しないという理由が挙げられます。WPS-Analyticsプロジェクトマネージャーのマティアス マイヤーとアンドレアス リーカーは、次のように説明しています。「これによって、例えば製造業において、AIベースのテスト結果がどのようにして得られるかを、納得のいく形で実証することが可能になります」。またアウディは、フラウンホーファー研究所(IAOおよびIPA)と協力して、生産のためのAIガイドを策定しました。
WPS-Analyticsプロジェクトは、アウディが立ち上げた「Automotive Initiative 2025」(AI25)の活用事例としても機能します。この取り組みは、デジタルファクトリーの変革およびイノベーションのためのコンピテンス(能力・知識)ネットワークを確立することを目的としています。アウディはデジタル化により、生産と物流をより柔軟かつ効率的なものにしたいと考えています。スマートファクトリーへの道筋において、アウディと科学およびIT業界のパートナーは、ネッカーズルムの実際の製造現場でプレミアムモデルを生産するために、デジタルソリューションのテストを行なっています。
※本リリースは、AUDI AG配信資料の翻訳版です。