ASF(アウディスペースフレーム)は、アルミなどの軽量素材を多用し、重量の大幅な削減を図ったアウディ独自の先進的なボディ構造を表してきました。始まりとなったのは、1993年秋のフランクフルト モーターショーに出展されたAudi ASF conceptです。アルミの押し出し材とダイキャスト(鋳造部品)で車体の骨組みを構成し、アウタースキンもオールアルミ製という斬新な設計で、銀色に輝く未来的なボディがショーにつめかけた多くの観衆を驚かせました。
そのコンセプトカーをベースに、翌1994年に初代Audi A8が発売され、以来Audi A8は、2度のモデルチェンジ(2002年と2010年)を経ていますが、現在でも骨組みを含めすべてアルミで構成するという原則が貫かれています。またAudi A8以外でも、2000年に発売されたAudi A2(日本では正規販売されず)、2006年と2014年に発売された2世代目及び3世代目Audi TT、2008年と2015年に発売された初代及び2世代目Audi R8が、AFSのコンセプトに則ったオールアルミもしくはアルミを主体に使ったボディを採用しており、初代Audi A8が発売された1994年以来、ASFを用いたアウディモデルの生産数は、累計で約90万台 にも達しています。
もっとも、今日アウディはボディの軽量化のためにも、アルミなどの単一な素材に頼らずに、複数の素材を臨機応変に組み合わせていく、という開発方針を掲げています。例えば、最近発売した2世代目Audi R8は、ボディシェルの部分を、アルミとCFRP(カーボン繊維強化樹脂)を組み合わせた構造にしており、2014年に発売した3世代目Audi TTも、部分によって複数のタイプのアルミ素材と強度の異なるスチールを使い分けた、いわゆる「ハイブリッド構造」のボディを採用しています。また、Audi A6、Audi A7、Audi Q7といったASFの系譜に通常数えられないモデルも、ボディのアウターパネルやシャシーパーツなどにアルミを多用して、軽量化を図っているという点では共通しています。そういう意味では、今やASFは、必ずしも「アルミボディ」を意味せず、アルミも含めて軽量素材を多用した、アウディによる、インテリジェントで革新的なボディ構造を意味する言葉になりつつあります。
Recent Press Release
2017/06/22Technology
アウディにおけるボディ開発 革新、品質、そして精密性
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2009/12/02Technology
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アウディ ジャパン株式会社(代表取締役社長:ドミニク ベッシュ、本社:東京都世田谷区)は、東京都渋谷区の表参道エリアに位置するアウディのブランドショールーム、アウディ フォーラム東京(東京都渋谷区神宮前6-12-18 、電話03-5464-7211)において、アウディの2シーターミッドシッププレミア...
2009/09/15Technology
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●ダイナミックで効率的:アウディは、軽量設計のパイオニア●1994年以降、アルミニウム製ボディ車両を55万台以上製造●未来のクルマのための新たな素材とテクノロジーアウディは、軽量設計で世界の自動車メーカーをリードしています。15年前からアウディスペースフレーム(ASF)をベースにしたアルミニウムボデ...