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2022/11/10Motorsport

アウディ、ダカールラリー参戦に向けてドライバーが徹底した準備(ドイツ本国発表資料)

  • 経験と走行距離が最も重要
  • デビューシーズン後、2回目のダカールラリーに向けてチームワークは万全
  • 2023年の新しいレギュレーションと課題に対応

(ドイツ本国発表資料)

2022年11月8日、ノイブルク アン デア ドナウ:2023年のダカールラリーが、約8週間後に開幕します。アウディは、マティアス エクストローム / エミール ベリークヴィスト、ステファン ペテランセル / エドゥアール ブーランジェ、カルロス サインツ / ルーカス クルスの3組の強力なペアでこのラリーに参戦します。6人のドライバーとコドライバーは、デビュー戦となった1年前よりもリラックスして準備を整えており、期待に胸を膨らませながら、砂漠で開催される伝統的なラリーレイドへの参戦を、既に楽しみにしています。


すべての距離が重要な経験
10月のモロッコラリーに参戦したことで、3人のAudi Sportドライバーは、実際の競技の感覚を取り戻すことができました。ステファン ペテランセルとエドゥアール ブーランジェは、今年最も多くの距離を走行したペアです。1月のダカールラリーに参加した後、彼らはアブダビデザートチャレンジに参戦し、Audi RS Q e-tronに初優勝をもたらしました。その後、ヨーロッパとアフリカでテストを実施して、モロッコラリーに参戦しました。マティアス エクストロームは、この過程で昔ながらの経験が重要であることを痛感しました。「実際のレースでの走りは、定期的にガレージに戻るテストとは基本的に異なります。砂漠で頼れるのは自分たちだけです。そのために経験が重要なのです」。10月に開催されたモロッコラリーには、2人のスウェーデン人ペアも参戦しました。エミール ベリークヴィストは、次のようにコメントしています。「デジタルロードブックを“クリック”したときに、それを作成した人々の考え方を理解することができました。それ以降、マティアスと私はそれをさらに理解して、ドライビングが一層楽しくなりました」

成長したチーム、高い結束力
カルロス サインツとコドライバーのルーカス クルス、ステファン ペテランセルとエドゥアール ブーランジェは、アウディがラリープロジェクトを開始する前からTeam Q Motorsportを知っていました。スヴェン クヴァント率いるこの経験豊富なチームは、約30年間にわたって砂漠のラリーに参戦しており、ダカールラリーでは6回優勝し、クロスカントリーラリーでも数多くのタイトルを獲得しています。ドイツのトレーブールを拠点とするこのチームは、Team Audi Sportとともに、3台すべてのAudi RS Q e-tronを参戦させます。この3台のプロトタイプが成功する前提条件は、コックピットでドライバーとコドライバーが良好な関係を築くことです。ルーカス クルスと一緒にダカールラリーに参戦するのは11回目となるカルロス サインツは次のように強調しています。「コドライバーのことは完全に信頼しています。一緒にダカールラリーに参戦して、3回優勝しました。私たちはお互いに助け合っています」。コドライバーのルーカス クルスは、次のように付け加えています。「カルロスとは、素晴しいコミュニケーションを維持しています。私たちは力強いパートナーであり、決意に溢れています」。
ステファン ペテランセルは、1988年から毎年ダカールラリーに参戦し、通算14回の勝利を収めています。最近では、2021年にコドライバーのエドゥアール ブーランジェと共に、このラリーを制しました。マティアス エクストロームは、ドイツツーリングカー選手権(DTM)で年間タイトルを2回獲得しており、ラリークロスの世界チャンピオンでもあります。モータースポーツで成功を収め、経験豊富なエクストロームは、尊敬する2人のチームメイトであるドライバーから多くのことを学んでいます。エクストロームは、次のようにコメントしています。「私が学べるのは、この2人からだけです。カルロスは非常に野心的で、感性が豊かで、エネルギッシュです。それ以外のことは、ステファンから学んでいます。彼はカルロスと同じように多くの成功を収めていますが、より冷静で戦略的です。彼らは、私のキャリアの中で最も才能溢れる2人のチームメイトです」。エクストロームと同じスウェーデン出身で、コドライバーのエミール ベリークヴィストは、次のように付け加えています。「私たちは、エドゥアールとクルスから多くのことを学びました。彼らは私たちを大歓迎してくれました。彼らには、可能な限り、あらゆることを尋ねてきました。彼らがいなければ、私たちはこれ程のレベルに到達することはできなかったでしょう」

テクノロジーのマスター
アウディは、最も過酷なモータースポーツ分野に参戦するため、革新的なコンセプトを備えたRS Q e-tronを非常に短期間で開発しました。世界ラリー選手権(WRC)の年間タイトルを2回獲得し、ダカールラリーで3回優勝しているカルロス サインツは、ドライバーであると同時に、技術的な完璧主義者でもあります。彼は、アウディを次のように称賛しています。「私たちは、アウディに、ダカールを甘くみてはならないと忠告しました。そして、アウディは、決してダカールを過少評価しませんでした。彼らは、このプロジェクトで、私たちドライバーの意見を尊重して、開発作業を進めてくれました。これまでの成功は、私たちの正しさを証明しています。これは、私たちドライバーとアウディの双方にとって、正しいアプローチでした」。Audi Sportは、今回のプロジェクトで、最初のマイルストーンを達成しました。1月に初参戦したダカールラリーでは4回のステージ優勝を果たし、3月のアブダビ デザート チャレンジでは総合優勝。そして9月には、第2世代へと進化を遂げたプロトタイプを製作しました。カルロス サインツは、次のようにコメントしています。「この新しいプロトタイプは、信頼性の点で大きく進化しました。しかし、オフロードラリーでは、技術的な問題を含め、常に予期せぬトラブルが発生します」。そのため、この過酷なスポーツでは、修理が避けられないことがあります。パンクから始まり、アクシデントによる車両の損傷や、不具合が発生する可能性があります。エドゥアール ブーランジェは、次のように説明しています。「修理に関しては、ステファンから素晴らしいサポートを受けています。彼は、モーターサイクルのレース出身で、工具の使い方をよく知っています。エンジニアとして、私は基本的な知識を持っていますが、ステファンは完璧な知識で私を助けてくれます」。しかし、トラブルに対処する方法を知っているのは、この2人のフランス人だけではありません。11月には、6人のドライバーとコドライバー全員を対象として、Audi Sportで詳細なテクニカルトレーニングコースが実施される予定です。

新しい挑戦
2023年のダカールラリーではステージ構成が新しくなり、15~20分の休憩を含む以前のニュートラルゾーン(競技区間内の時間を計測しない移動区間)が廃止されます。マティアス エクストロームは、次のように強調しています。「これらのニュートラルゾーンがなければ、ライバルと比較して自分たちがどこにいるのか、正確には分かりません」。この件に関して、カルロス サインツは、次のようにコメントしています。「昔のラリーには、ニュートラルゾーンはありませんでした。3分間隔でスタートするライバルとの位置関係は、後からスタートしたクルマが、前のクルマに追いつくかどうかで分かります」。
もう1つの課題は、2023年には、砂丘を通過するルートの割合が大幅に増加することです。コドライバーのエドゥアール ブーランジェは、次のように語っています。「私にとっては、砂丘での走行の方が簡単です。進行方向に関する数多くの指示をドライバーに出す必要がないからです。ナビゲーションも、より簡単になるはずです。その一方で、クルマは、頻繁に砂丘を上り下りするため、身体への負担が大幅に増加するでしょう」。ドライバーのステファン ペテランセルも、砂丘を楽しみにしています。「エンプティクォーター(アラビア語で「何もない大地」を意味するルブアルハリ砂漠)で、4日間走行するのが今から楽しみです。今回のダカールでは、本格的な砂漠での戦いが繰り広げられるでしょう」。カルロス サインツは、このラリーの別の側面を強調しています。スペイン人のサインツは、次のように述べています。「このイベントは、過去3年間で大きく変化しました。今回のイベントでは、ウェイポイントマスク(WPM)が廃止され、コンパスの方向をより正確に追跡できるようになりました。エンプティクォーターは困難な走行になると思いますが、ルーカスと私は準備ができています」。ルーカス クルスは、次のようにアドバイスしています。「砂丘では、私たちだけでなく、ライバルも道なき道を走行しなければなりません。与えられたコンパスの方向に従って、広い砂丘を直進するのは簡単なことではありません」どれほど困難なステージでも、誰もが同意できることが1つあります。ステファン ペテランセルはチームを代表して、次のように語っています。「Audi RS Q e-tronは、非常に強力なエアコンディショナーを搭載しているので、いつでも快適な温度に調整することができます」

砂漠のレース用セットアップ
ドライバーチームは、モロッコラリーで、電気駆動装置とエネルギーコンバーターを備えた効率的なRS Q e-tronに最終的な調整を行いました。ステファン ペテランセルは、次のようにコメントしています。「ペダル類の位置がより適切になり、ステアリングホイールも完璧な位置に配置されました」。エドゥアール ブーランジェも満足しています。「ソフトウェアのロジックが改善され、頻繁に使用する機能に簡単かつ迅速にアクセスできるようになりました。同僚のコドライバーであるルーカス クルスも、新しくなったプロトタイプから多くの恩恵を得ることができました。シートの位置が変更されたことで、見晴らしが良くなり、計器類をより簡単に読み取ることができます」。その一方で、マティアス エクストロームは、チームメイトによるオフロード走行のノウハウに感銘を受けています。「カルロスは、シャシーに最高の基本セットアップを施しました。さらに、ステファンが最終的なファインチューンを行ったことで、さらに自信を持って運転できるようになりました。コーナリングも完璧で、ジャンプする際も、リアがあまり浮き上がらなくなりました」

体調管理と期待
ステファン ペテランセルは、次のように述べています。「準備は整いました。コンスタントなペースで走行し、あまりゆっくりスタートしないように注意します。そのようにしないと、ライバルに遅れをとってしまうからです。同時に、ダカールでは何が起こるかを熟知しています。私たちは、戦闘力のあるマシンを持っていますが、厳しい競いになることは間違いないでしょう」。この点に関しては、カルロス サインツも同意見です。「1日でも気を抜くことはできません。今回のダカールでは、より長いステージが設定され、コックピットでより多くの時間を過ごし、そして多くの困難を伴うレースになるでしょう」。エドゥアール ブーランジェは、次のように付け加えています。「私たちのマシンの革新的なコンセプトでは、エネルギー供給が限られているため、ペースを調整する必要があります」。
スペイン人のルーカス クルスは、南米で開催されたラリーに参戦したときのことを思い出しました。「エンプティクォーターのステージは、非常に難しいため、これまで以上に身体を鍛える必要があります」。エミール ベリークヴィストは、ラリーのスタートを心待ちにしています。「このチームの一員になることができて、本当に光栄です。ドライバーが望むのであれば、どのようなことでもするつもりです。それによって、気分よく走行することができます」。彼のドライバーであるマティアス エクストロームは、体調管理に重点を置いています。「日中はあまり水分を取ることができませんが、体重を落とさないように注意しなければなりません。そのため、今回は体液バランスをチェックするために、体重計を持っていきます。ラリーがスタートするまでに自分に課したルールは、バランスに注意して良く食べ、良く眠り、十分に水分を取り、適度な運動をすることです。ラリーが始まったら、ステファンのペースについて行こうと思っています。これほど運に左右されるモータースポーツは、他にないでしょう。私たちはできる限りの準備をしました。アウディは私たちの願いをすべて叶えてくれましたので、私たちのサンタクロースへのリストには何も書かれていません」


※本リリースは、AUDI AG配信資料の翻訳版です。

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