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2022/06/07Technology

自動運転に関する通説と真実(ドイツ本国発表資料)

  • 自動運転はモビリティの世界をどのように変えるのか?
  • &Audiイニシアチブのスペシャリストが自動運転に関する調査「SocAIty」を実施
  • 透明性により、社会における自動運転技術の積極的な受け入れを目指す

(ドイツ本国発表資料)

2022年6月2日、インゴルシュタット:自動運転はまもなく実現するのでしょうか?そして、自動運転が広く社会に受け入れられるようにするには、人々の考え方や態度をどのように変化させる必要があるのでしょうか。著名なスペシャリストのサポートにより行われた、&Audiの調査「SocAIty」では、これらの質問に対する世の中の様々な通説と真実を明らかにします。


通説1:
自動運転車はドライバーがいないだけで、通常のクルマと同じような存在になる。
特に空気力学は、電気自動車の航続距離に関して重要な要素であり、電気自動車の設計において主要な役割を果たし続けます。自動運転機能を備えたクルマやその他の移動手段は、この点で根本的に変わることはありません。しかし、明らかなことは、未来の車両のデザインはインテリアが中心になるということです。乗員の快適性が優先されるため、特定の使われ方では、これまでのように乗員が、必ずしも前方を向く必要がなくなります。インテリアデザインにおける高い自由度は、人々に、コミュニケーションやリラクゼーション、仕事や瞑想など、好みに合わせた車内での過ごし方に、幅広い選択肢を提供します。さらに、ペダル、シフトレバー、ステアリングホイールなど、不要な要素を一時的に格納することで、インテリアのスペースを最大限に活用することができます。



「デジタル化により、モビリティをさらに安全に、よりパーソナルに、そしてスマートにすることができます。その目標は、クルマが日常生活にシームレスに統合されることです。私たちは真の付加価値 を生み出すことにより、重要なことのために時間を費やすことができます」

AUDI AG 技術開発担当取締役 オリバー ホフマン



通説2:
統合された安全なソフトウェアが開発されると、自動運転車はどこでも運転できるようになる。
自動運転車を一般道で走らせるには、クルマだけでなく交通環境全体の完全な信頼性と、統合された安全なソフトウェアの開発が必要です。これにより、都市の景観が徐々に変化するでしょう。この目的のために、インフラを拡充し、インテリジェントな信号機と道路センサーを整備する必要があります。都市はよりデジタル化され、より多くの自動運転車に適したエコシステムを提供します。これにより、都市はより安全でリラックスできるものになります。その理想的な姿は、渋滞や混乱のないスムーズな交通の流れが実現することです。



「これは革命というよりは、進化の結果です。すでに明確になっている方向に、一歩ずつ前進する必要があります」

SocAItyエキスパート エリック ヒルゲンドルフ



通説3:
自動運転車は運転が楽しくない。
このことは、自動車ファンにとって、明らかに自動運転に対する不満の源となっています。つまり、乗員は何もしなくてもよいということに対する不満です。一部の人々は、どこに行くにもアクセルを踏み込んだり、ステアリングを操作したりする悦びを味わえなくなるのではないかと心配しています。しかし、それは真実ではありません。自動運転車が、運転の楽しみを奪うことはありません。ユーザーの希望により、いつでもクルマを運転できるようにします。例えば、高速道路での渋滞など、特定の状況で、自らクルマを運転するか、あるいは自動運転に切り替えるかを選択することができます。



「私たちは選択肢を人に与えるのであって、クルマにその権利を与えるのではありません」

SocAItyエキスパート トルステン ゴレウスキ



通説4:
自動運転車はハッキングされる恐れがある。
自動運転車は、従来のクルマと比較して脆弱ではありません。但し、自動運転車の安全関連システムに対するハッカー攻撃の影響は、さらに深刻になる可能性があります。そのため、自動車メーカーは常にサイバー攻撃への対策を整え、車内・車外のバックエンドシステムの両方で、ハッキング防止の仕組みを改善しています。クルマと環境がこれまで以上にネットワーク化されるにつれ、高い信頼性を確保して、常に最新のサイバーセキュリティを保証するために必要な対策も増加します。同時に、自動運転車は交通の安全性を向上させることにより、効率および快適性の向上、さらに社会全体の利益につながります。



「自動車業界は、現在この問題を真剣に受け止めています。そのためには、設計の初期段階からプロセス全体、そしてビジネスのあらゆる側面に至るまで、セキュリティ対策を組み込むことが重要です」

SocAItyエキスパート サム アブエルサミド



通説5:
自動運転車により、必要な駐車スペースが減る。
自動運転車でも駐車スペースが減ることはありません。しかし、自動運転車は、はるかに効率的に使用することができます。さらに、カーシェアリングの普及によりクルマの共同利用が増えると、大都市圏では車両密度が低下する可能性があります。ちなみにドイツ環境庁の調査によると、現在、自家用車の運転時間は、1日平均わずか1時間です。

通説6:
自動運転技術は既に開発されているが、自動運転に関する法制度がまだ追いついていない。
米国や中国といった一部の国々では、ドイツやヨーロッパよりも自動運転に関する技術開発が進んでいることは事実です。しかし、ドイツの議会は、自動運転技術の開発と導入において、安全を最優先する法的枠組みを、非常に早い段階で策定したことも事実です。この点においてドイツは国際基準でもパイオニアと認識されています。ドイツでは、特定の状況下において、2017年という早い段階から、以前は人間の責任のもとにあった行動を、自動運転システムが引き継ぐことが許可されてきました(SAEレベル3)。そして2021年6月には、定義されたエリア内に限定されているものの、レベル4以上の自動運転車が、公共交通で定期的に運行できるようにする法的枠組みが確立されました(例:A-to-Bシャトル交通や指定ルートの“路線”バスなど)。この法律は、現在集中的に審議されている、より包括的な規制への第一歩となっています。つまり、法律を制定する当局は、自動運転の開発を妨げることなく、安全が最優先であるという、法的に確立された原則に従っています。



「ドイツ議会は、自動運転機能の規制に関して世界をリードしており、自動車メーカーが自動運転技術を開発するための、最初の法的枠組みを設定しています」

AUDI AG法務顧問責任者 ウタ クラウィッター



通説7:
極端なケースでは、自動運転車は生死を決定する必要がある。
自動運転に関して、現時点における判断は、クルマではなく、クルマをプログラムする人間によって行われます。クルマは、ソフトウェアで規定されていることのみを行います。そして、これまでに実施された研究では、自動運転車では、人的要因によるエラーの影響が大幅に削減されることが示されています。例えば、これまでのクルマで長距離走行をした場合、ドライバーの疲労による運転ミスが発生する可能性が高まります。

多くの人々は、危険な状況下で、機械が正しい判断を下すことができるのかについて疑問視しています。しかし、自動運転に関して、このような疑問が生じたのは今回が初めてではありません。実際、「トロッコ問題」に示されているように、それは何十年にもわたって倫理問題として議論されてきました。この思考実験では、暴走したトロリーの状況を考察しています。トロリーの本来の軌道上には、5人の人間が縛られており、トロリーを別のルートに迂回させることは可能ですが、そのレール上にも1人の人間が動けない状態になっています。ある人が、トロリーを迂回させた場合、これは犯罪行為になるでしょうか?このようなケースでは、何もするべきではないのでしょうか?あるいは、トロリーを迂回させることができる人は、状況を把握した上で、可能な限り犠牲者を減らすための選択をすべきでしょうか?

自動運転ではこの議論が復活しました。しかし、スペシャリストによると、この調査では危険な状況で自動運転車は独自に決定を下すのではなく、代わりに、ソフトウェア開発者によって与えられた選択肢のみを実行すべきであるということが、現在の議論の中心となっています。つまり、ソフトウェアは、それを設計した人々の倫理的基準と価値観に基づいた決定を下すことが可能で、ソフトウェア自体は独自の解釈をすることなく、それらの決定を実行するだけであるということです。


「私たちは、責任の問題やリスク評価など、企業に影響を与える実際の問題に対処するために、理論的なジレンマの状況から抜け出して、一歩前進する必要があります」

SocAItyエキスパート クリストフ リュトゲ



通説8:
自動運転車は非常に高価な技術であるため、そのようなクルマを購入できる人はほとんどいない。
確かに、自動運転車の開発には多額の投資が伴います。もちろん、短期および中期的には、これらは製品コストに影響を及ぼすでしょう。しかし、長期的には、大量生産の準備が整い、それに伴って開発費が償却されると、価格は下降に転じます。さらに、予測される交通の安全性向上により、自動運転車が事故を起こすケースが大幅に低減されます。これにより、修理代と保険料が下がる可能性があります。もう1つの重要なことは、モビリティの使用によって予想される変化です。大都市圏では、一部の自動運転車は個人の所有ではなく、モビリティプロバイダーに属します。または、カーシェアリングを通じて複数の人が共有します。これも利用効率を高め、コストにプラスの影響を与えます。


「将来的には、さらに多くの選択肢が考えられます。そして、その利用範囲は、今日よりもさらに多岐に渡るでしょう。そして、最近明らかになっているように、様々な運転モードが利用可能になるでしょう」

SocAItyエキスパート ピート ビゲロウ


&Audiが作成した、法律、倫理、データなどのトピックをカバーする「SocAIty - 自動運転、社会的受容への道のり」と題された調査レポートの2021年版には、各国から19人の著名なスペシャリストが協力しました。76ページのこの調査レポートは、ここからダウンロード可能です。

※本リリースは、AUDI AG配信資料の翻訳版です。

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