- 4月にアウディ社の新しいCEOに就任し、フォルクスワーゲングループの研究開発担当取締役を兼任するマルクス ドゥスマンが、迅速に車両を開発するための新しいプロジェクト部門を設立
- アレックス ヒッツィンガーをインゴルシュタットに設立された「Artemis(アルテミス)」の責任者に任命、グループのリソースとテクノロジーを最大限に活用
- ヒッツィンガーのチームは、将来の車両開発の青写真となるこの新しいプロジェクトを、記録的な速さで立ち上げることを目指す
2020年5月29日、インゴルシュタット/ウォルフスブルク:2か月前にアウディの新しい最高経営責任者(CEO)に就任したマルクス ドゥスマンが、新しい車両の開発を促進するための部門を設立します。「Artemis(アルテミス)」と名付けられたこのハイテクプロジェクトの責任者には、輝かしい実績を持つモータースポーツのチーフエンジニアであり、現在フォルクスワーゲン グループで自動運転技術の開発を担当しているアレックス ヒッツィンガーが任命されました。彼はまず、自動車及びテクノロジーの専門家とチームを組んで「アウディにとって先駆的なモデルを、組織に縛れることなく迅速に開発することになります」とドゥスマンは述べています。そのためには、フォルクスワーゲングループ全体が持っているリソースやテクノロジーを最大限に活用する必要があります。ドゥスマンおよびフォルクスワーゲングループの取締役会は、今回の「Artemis」プロジェクトが、フォルクスワーゲングループ全体において、将来的に車両を迅速に開発するための青写真になることを期待しています。
「フォルクスワーゲングループの各ブランドは、高度なテクノロジーを蓄積し、非常に多くの可能性を秘めています。グループは、2029年までに75の電動化モデルを導入することを計画しており、私たちは持てる力のすべてを遺憾なく発揮する必要があります。課題は、既存のプロジェクトの管理/進行を
妨げることなく、新しいハイテク技術のベンチマークを追加し、市場における新しいチャンスを活用することです」とドゥスマンは述べています。このプロジェクトチームには大きな自由度が与えられ、ハイテク技術の中心組織として機能しているインゴルシュタットの「INCampus」から、米国の西海岸にある研究開発センターに至るまで、グループの能力をグローバルに活用します。デジタルサービスは、インゴルシュタットに拠点を置くグループの新しい組織、「car.Software.org」から提供されます。「Artemis」は、特定のモデルに向けて、電気自動車用の新しいテクノロジーや高度な自動運転技術を実現することに焦点を当てます。最初のタスクは、2024年に導入が予定されている高効率な電気自動車を開発することです。このクリエイティブなチームは、車両関連の広範囲なエコシステムも開発し、車両の利用フェーズ全体における新しいビジネスモデルを構築することを目指しています。
アレックス ヒッツィンガーは、ドゥスマンの直属となり、6月1日付けで「Artemis」プロジェクトの責任者に就任します。ヒッツィンガーはこれまで、フォルクスワーゲン商用車部門の技術開発担当取締役を務め、フォルクスワーゲングループにおける自動運転担当の上席副社長を兼任していました。フォルクスワーゲングループの研究開発責任者も兼務するドゥスマンは、次のように続けています。「私は、アレックス ヒッツィンガーの革新的な考え方と優れた行動力を高く評価しています。大きな技術的進化を成し遂げるためには、両方の資質が必要です。また、彼の専門知識によって今後達成される成果を、
主要なグループブランドの開発部門に導入して、新製品の開発に役立てたいと思っています。中期的には、彼がレーシングチームで培ってきた素早い開発能力を「Artemis」でも発揮して、迅速な開発プロセスの青写真をグループに提供することを期待しています」
ヒッツィンガーは、トヨタモータースポーツの開発エンジニアとして自動車業界におけるキャリアをスタートさせました。フォード/コスワースでは、F1史上最年少のチーフ開発エンジニアに就任して注目を集めました。2006年には、彼の指導の下、最高20,000rpmのレブリミットを備えた最初のF1エンジンが開発されました。レッドブルテクノロジーを去った後、ヒッツィンガーは初めてフォルクスワーゲングループに参加し、ポルシェのモータースポーツチームを指揮し、2015年から2017年にかけて、ル・マン24時間レースを含む世界耐久選手権で優勝して大きな成功を収めました。その後、シリコンバレーのアップル社で3年間勤務して自動運転車の製品開発プロジェクトを立ち上げた後、2019年にフォルクスワーゲングループに戻り、フォルクスワーゲン商用車部門で自動運転やID. BUZZ(アイディ.バズ)の開発を担当しました。
※本リリースは、AUDI AG配信資料の翻訳版です。