- 3基の電気モーターを搭載し、将来の量産に向けた世界初の駆動コンセプト
- 電動トルクベクタリングによる新しい世代のquattro
- ダイナミックなハンドリングと俊敏性をハイレベルで実現する370kWの出力と973Nmのトルク
(ドイツ本国発表資料)
2020年2月28日、インゴルシュタット:アウディは体系的に電動化攻勢を前進させています。Audi e-tronとAudi e-tron Sportbackは、Sモデルとして、より俊敏、シャープ、ダイナミックに進化を遂げます。3基の電気モーター(フロントアクスルに1基、リヤアクスルに2基)は、合計370kWのブーストパワーと973Nmのトルクを提供します。これにより、この電気自動車は、わずか4.5秒で100km/hまで加速します。インテリジェントな駆動コントロールシステムが、車両の安全性、特にダイナミックなハンドリングを新たなレベルに引き上げています。電動4輪駆動に加え、リヤアクスルには、左右のリヤホイールにトルクを完全に可変配分する電動トルクベクタリング機能が装備されます。
ダイナミズム2.0:ドライブ体験
Audi e-tron S-modelの2台のプロトタイプは、優れたダイナミズム、俊敏性、トラクション性能を特徴としています。Sギアを選択すると、両モデルともに、わずか4.5秒で100km/hに到達します。加速時に、シフトチェンジによるタイムロスは一切なく、ノイズもほとんど発生しません。最高速度は、電子的に210km/hに制限されています。この駆動システムは、パワフルな冷却システムにより、8秒間にわたって370kWのフルブーストパワーと973Nmのトルクを繰り返し発生させることが可能です。Dギアにおける非ブースト時の公称値は、出力が320kW、トルクが808Nmです。
ハンドリングに関して、この電動Sモデルは、極めて優れた俊敏性とトラクション性能を特徴としています。これらのモデルでは、後輪により多くの駆動トルクが配分され、スポーツカーのようにコーナーから立ち上がり、よりスポーティなキャラクターを実現します。ESCスタビリゼーションコントロールが“スポーツ”に設定され、アウディドライブセレクト ダイナミックハンドリングシステムが最大のパフォーマンスを発揮する“ダイナミック”モードに設定されている場合、この駆動レイアウトはハイレベルなコーナリング性能を発揮し、ドライバーが望めばドリフト状態に持ち込むことも可能です。クルマの挙動変化は手に取るように分かり、非常にハイレベルな安全性と信頼性を提供します。
駆動レイアウト:将来の量産に向けた3基の電気モーター
新しいAudi e-tron Sモデルは、3基のモーターを搭載した世界初の量産電気自動車となります。その駆動レイアウトは、2種類の異なる非同期モーター(ASM)コンセプトに基づいています。Audi e-tronは、当初からこれを見越して、モジュラー形式で設計されました。
Audi e-tron 55モデル(複合モードにおける電力消費量 kWh/100 km:26.4~21.9(WLTP)23.1~20.6(NEDC)、複合モードにおけるCO2排出量 g/km:0)のリヤアクスルに動力を供給する大型の電動モーターは、新しいSモデル向けにモディファイされフロントアクスルに搭載されます。出力は124kW(ブースト時:150kW)に設定されています。リヤアクスルには、より小型の電気モーター2基が搭載されます。2基のモーターは完全に同一のもので、合計で196kW(ブースト時:264kW)の出力を発生します。
quattroを発明したアウディのイノベーション:電動トルクベクタリング機能を実現するツインモーター
駆動システムは、日常走行における効率を重視してプログラムされています。通常の運転モードでは、リヤの電気モーターのみが作動します。この場合、フロントの電気モーターは休止状態になっていますが、ドライバーがより多くのパワーを求めた場合、ドライバーがほとんど気づくことなく瞬時に作動します。また、グリップ低下を検知した場合もオンになります。これは、路面の摩擦係数が低い場合やスポーティなコーナリング中などに行われます。電動4輪駆動は、従来のスポーツディファレンシャルの機能を、電気的に作動するトルクベクタリングという革新的なテクノロジーへと進化させています。リヤの電気モーターはそれぞれ、トランスミッションを介して駆動力を直接ホイールに伝達します。機械的なディファレンシャルは存在しません。quattroテクノロジーの発売から40年後、アウディは4輪駆動の原理を、まったく新しいレベルへと引き上げました。その結果、より俊敏で自然なハンドリング特性が実現し、コーナリングスピードが向上しています。
もう1つの利点は、優れたトラクションです。加速中に後輪が低い摩擦係数の路面に接触した場合、つまり路面が凍結しているか、グリップが不足している場合、2基のモーター間で駆動トルクが正確かつ迅速に再配分されます。この場合、よりトラクションの高いホイールに駆動トルクが徐々に送られ、トラクションの低いホイールには、ほとんどトルクが配分されなくなります。
Audi e-tron Sモデルの2台のプロトタイプは、5-VスポークSデザインの20インチアルミホイールを標準装備しています。オプションで、最大22インチのホイールを装着することも可能です。Sモデルの特徴となっているダイナミックなコーナリング性能を実現するため、20~22インチまで用意されたホイール幅は、285mmに拡大されています。赤い“Sランバス”(菱形のアウディスポーツ エンブレム)を備えたブラック ブレーキキャリパーは、左右それぞれ6つのピストンを備え、大径ブレーキディスク(フロントディスク直径:400mm)を挟み込みます。さらに、スポーティなプログレッシブステアリングも標準装備されます。ステアリングレシオは、ステアリングを操舵するにつれて、さらにダイレクトな設定になっています。フロントおよびリヤサスペンションには、5リンクデザインが採用されています。剛性およびダンパー特性も、Sモデルの特性に合わせて最適化されました。コーナリング中のロールをさらに減少させるため、前後アクスルのスタビライザーのサイズが拡大されています。
際立つ存在感:大径ホイールの採用
パワフルでスポーティなAudi e-tron Sモデルのデザインは、ホイールの力強い輪郭を強調する、アウディの革新的なデザイン言語を表現しています。大部分が密閉され、明るいグレーに塗装された八角形シングルフレームをはじめとするディテールが、電動化の時代を象徴しています。LEDヘッドライトの下端には、デイタイムランニングライトとして機能する4本のストラットが設置され、Audi e-tronならではのライトシグネチャーを生み出します。Sモデルのハイライトは、一目で分かります。前後のバンパーには立体的な造形が施され、ディフューザーインサートは車両のほぼ全幅に及んでいます。バンパーには、より大きく、より印象的なエアインテークトリムが設置され、エアフローを改善します。このエアインテークは、ヘッドライトの下まで伸び、遠くから見てもダイナミックな外観を強調しています。左右のホイールアーチの幅は、23mmも拡大されました。フロントバンパーリップ、シングルフレーム、ドアインサート、ディフューザーに設置されたシルバーのカラーエレメントが、このモデルのキャラクターを強調しています。アウディは、取り外し可能な大型コンポーネントをコントラストカラー仕上げにするオプションも提供します。
両方のSモデルには、オプションで、世界で初めて量産化されたデジタルマトリクスLEDヘッドライトを装着することもできます。それらの光は小さなピクセルに分散され、高精度で制御されます。これにより、レーンライトやオリエンテーションライトなど、多くの新機能が実現しています。例えば、狭い道路では、車線内における車両の位置が表示されるため、ドライバーは車線の中心を維持して走行することができます。
先進的:インテリアと装備
Audi e-tron Sモデルのインテリアは、暗色系のカラーで統一されています。ダッシュボードは、アウディバーチャルコックピットを包み込みながら、左右のドアミラーとボンネットを接続するように大きな弧を描いています。インストルメントパネルはドライバー重視で、センタートンネルのコンソール側面はオープンタイプとなっています。電気調整式スポーツシートのレザー/アルカンターラの張地とシフトレバーには、Sランバスのエンボス加工が施されています。ドアシルとハンドルには、Sバッジが装着されます。そのほか、ブラック、ローターグレー、アラスレッドのランバスパターン レザースーパースポーツシート、空調機能付きパーフォレーテッド レザー カスタマイズド コンツァーシートもオプションで用意しています。
※本リリースは、AUDI AG配信資料の翻訳版です。
Audi e-tron Sモデルの駆動コンセプトを提示: ダイナミックで俊敏な電気自動車
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