● マニュファクチャラーズWEC選手権タイトル争い、史上初めて最終戦までもつれこむ
● ファスラー / ロッテラー / トレルイエ組が4位
11月15日 インゴルシュタット / バーレーン: アウディは、バーレーン大会に向けて総力を結集して臨み、タイトル争いの結末を最終戦まで引き延ばしました。これまでの2年間、アウディはシーズン最終戦を待たずにマニュファクチャラーズタイトルを獲得してきましたが、今年は史上初めてチャンピオン決定が最終戦にまで持ち越される大接戦となりました。
タイトル決定が最終戦にまで持ち越されたことは、アウディスポーツ チームヨーストにとって、最上の結果となりました。前回のレース後に発見されたモノコックのダメージを修復するため、チームはレースウィークの火曜日から金曜日に掛け、一丸となって3台のマシンをゼロから組み上げ、マシンが初めて走行するのは、バーレーン大会の公式練習走行という厳しい状況でした。
過酷な状況にも関わらず、ルーカス ディ グラッシ / ロイック デュバル / トム クリステンセン(ブラジル/フランス/デンマーク)組が駆るゼッケン1号車は、完璧なパフォーマンスを発揮。ゼロから組み上げたため、金曜日の予選と練習走行には間に合わず、Audi R18 e-tron quattroが初めて走行したのは土曜日のレース本番でした。しかし、レース開始時の路面温度が34度にも達したバーレーンの酷暑の中でも、マシンは一切の技術問題を起こさず、6時間のレースで5位を獲得しました。レース序盤、フレッシュなタイヤで走行したルーカス ディ グラッシは、ファステストラップを記録する快走さえ見せました。
一方、最初のピットインの際に予選から使用していたタイヤを新品に交換したマルセル ファスラー(スイス)も、その後ファステストラップを記録しています。ファスラーは、アンドレ ロッテラー(ドイツ)、ブノワ トレルイエ(フランス)らと共に、表彰台を目指して激しい闘いを繰り広げました。
今大会は、消耗が著しい過酷なものでしたが、アウディは厳しさを克服し、年間チャンピオン争いを最終戦にまで持ち越しました。最終戦、サンパウロ6時間耐久レースは2週間後に開催されます。
レース後のアウディ首脳陣のコメント
Dr. ウォルフガング ウルリッヒ アウディモータースポーツ代表:
「最終戦を待たずにドライバーズタイトルを獲得したセバスチャン ブエミとアンソニー デビッドソンに対し心からの賛辞を送ります。その一方、今回のレースで我がチームの面々は賞賛に値するだけの激務をこなしました。レースカーは2台とも、素晴らしい走りを見せてくれました。この事に私から大きな感謝を捧げたいと思っています。残念ながら、今回は表彰台を獲得することは叶いませんでした。ドライバー達は素晴らしい走りをしてくれましたが、ディーゼルエンジンの燃料タンクを小さくするレギュレーションにより、随所で燃料消費を抑える走りを強いられ、さらにはレース終了5周前には追加のピットストップを余儀なくされたため、優勝することが出来ませんでした」
クリス レインケ LMPプロジェクトリーダー:
「ドライバーズタイトルを獲得したライバルに対してはもちろん、3度もマシンを組み上げ直すという激務をやり切った我がチームの面々に対しても、賞賛を捧げたいと思います。急ピッチで組み上げられたにも関わらず、マシンはトラブルフリーで走りきりました。これは、今週末でもっとも誇れる偉業だと思います。さらに、マニュファクチャラーズ タイトル決定を次のサンパウロ大会まで持ち越すという目的も達成出来ました。形勢を一変させることは難しいかもしれませんが、我々は決してあきらめません」
バーレーン6時間耐久レースの決勝結果
1: コンウェイ / サラザン / ブルツ (トヨタ) 195 laps
2: デュマ/ ジャニ / リーブ (ポルシェ) +50.460s
3: ベルンハルト / ハートレー / ウェーバー (ポルシェ) +57.268s
4: ファスラー / ロッテラー / トレルイエ (Audi R18 e-tron quattro) -1 lap
5: ディ グラッシ / デュバル / クリステンセン (Audi R18 e-tron quattro) -2 laps
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