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2010/03/23Motorsport

アウディ、ルマン24時間レースへ向けて、R15 TDIの燃費を向上

● R15 TDIディーゼル レーシングカーが進化
● 米国およびヨーロッパでの大規模テストプログラムがスタート
● タグ・ホイヤーがアウディLMP1プロジェクトの新しいパートナーに

アウディは、今年6月12-13日に開催されるルマン24時間レースに、進化したR15 TDIディーゼル レーシングカーでチャレンジします。そして改良されたマシンの大規模なテストが、米国でスタートしました。

アウディ モータースポーツの責任者Dr. ウォルフガング ウルリッヒは「ルマン24時間への参戦は、量産車とも密接に関わりのある技術力と開発力をアピール出来る機会であり、フォーミュラ1への参戦よりも良い選択であると考えています。アウディの優位性の一つである“高い燃費効率”は量産車と同じく、ルマンにおいてもかつて無いほど重要となっており、アウディの優位性の一つとなっています」と述べています。

従ってR15 TDIの開発作業は、燃費効率の向上、特にエアロダイナミクス関連の進化に焦点を当てて進められてきました。アウディスポーツの技術責任者Dr.マーティン ミュールマイヤーは「今年のルマン24時間レースではディーゼルエンジン車に対するレギュレーション変更が行われ、エアリストリクターの小径化や過給圧を低く抑える制限が加わりました。この変更によってエンジンパワーが抑えられることとなったため、我々は車輌のエアロダイナミクスをこれまで以上に効果的なものに変更し、空気抵抗を減らし、ダウンフォースを向上させる努力を行ってきました」と説明しました。

レギュレーションの変更が昨年11月という非常に遅いタイミングで行われたために、開発エンジニアの作業は困難を極めました。アウディはR15 TDIのフロントセクションのデザインを一新することを決断。社内呼称で “R15プラス”と呼ばれる今回の進化型ディーゼル レーシングカーは、鼻先が2つに分かれたスプリットノーズを擁する新しい独特なデザインで登場します。

フロント部分だけでなく、R15 TDIのボディワーク全体のエアロダイナミクスも、その効果を最大限に発揮出来るように改良が施されました。同じく、冷却システムや燃料タンクも変更が加えられました。V10 TDIエンジンは、小径エアリストリクターと低く抑えられた過給圧にも対応するよう変更が施されました。アウディ スポーツのエンジン技術責任者ウルリッヒ バレツキーは「我々の目的は、新しいレギュレーションに対応しつつも、エンジンパワーの低減を最小限に抑えることでした。その為に我々は非常に細かい部分にまで、数多くの改良を施しました」と述べました。その結果、5.5リッターエンジンは440kW以上の出力を維持しています。

「2009年のレース終了後から始まった“R15プラス”の開発においては、およそ20項目の改善項目が設定されました。燃費効率と信頼性の向上がもっとも重要な項目でしたが、それ以外にも、夜間照明の性能向上にも取り組みました。その結果生まれた新しいヘッドライトは、夜間に優れた視認性をドライバーに提供します」と、Dr. マーティン ミュールマイヤーは述べています。

去る3月3日、進化したアウディR15 TDIはノイシュタット (ドイツ)のアウディ テストコースにおいて、初めてその姿を現しました。このマシンはその後、米国に移送され、2週間に渡って集中テストが行われました。さらに6月のルマン24時間レースに向けて、アウディ スポーツ チームヨーストが、ヨーロッパ内の様々なサーキットで広範囲に及ぶテストを行うほか、4月11日に行われるカステレ8時間耐久レース(フランス)、5月9日に行われるスパ・フランコルシャン1000kmレースへの出場を予定しています。

最後に、今年のアウディのルマンプロジェクトには、新しいパートナー加わりました。アウディR15 TDIには、著名な時計メーカー「タグ・ホイヤー」のロゴが入ります。タグ・ホイヤーの名声は、映画「栄光のルマン」の中でアメリカの俳優スティーブ マックイーンが着用したことでも知られています。

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