● ロードセーフティに貢献した人物を称える賞
● 安全性に関する広汎な取り組み
● 今後の開発の鍵は車両の包括的なネットワーキング
2014年5月30日 インゴルシュタット/ライプチヒ:アウディ 技術開発担当取締役 兼 フォルクスワーゲングループ クロスブランド研究開発責任者であるDr. ウルリッヒ ハッケンベルクが本日、ドイツモータージャーナリスト協会(VdM)から「ゴールデン ディーゼルリング賞」を授与されました。この賞はVdMがDr. ハッケンベルクのロードセーフティに対する貢献を称えるものです。賞はライプチヒ モーターショー(AMI)において、指輪と共に授与されました。
Dr. ハッケンベルクはこの受賞に対し、大変光栄であると感謝の意を述べました。彼は先立つ基調演説において、安全技術においてアウディとフォルクスワーゲンが守ってきた哲学について語りました: 「私たちはすべての面をカバーするコンセプトを開発して来ました。それはパッシブおよびアクティブセーフティシステムや自動操縦の新技術から、車両とその周辺環境のシームレスなネットワーキングにまで及びます。これらはすべて私たちのお客様の為のものであり、それが常に私たちの開発作業の焦点です。」 さらにDr. ハッケンベルクは次のように強調しています。「ここで私たちにとって一つ重要な点は、これらの安全システムを汎用化することです。この原則はつまり、最も先端の技術をすべてのモデルラインに可能な限り早急に装備することを意味しているのです。」
アウディでは早くから安全性に重点をおいて来ました。1938年には既に、前身ブランドであるDKWにおいてクラッシュテストが実施されています。1958年のNSU Prinzには既に前面衝突時の為の衝撃吸収ゾーンが備わっており、1960年代後半にはアウディはクラッシュテストでダミー人形を使い始めています。その他にも1986年から採用されたプロコンテン レストレイント システムや、交通事故の研究の為に1998年に設立されたアウディ アクシデントリサーチユニット(AARU)など、歴史的なマイルストーンを残しています。今日では1つのクラッシュ シミュレーションにアウディの技術開発部門で働く200人以上の専門家が関わっています。
アウディ、フォルクスワーゲンおよびベントレーにおいて、Dr. ハッケンベルクは数えきれないほどの安全性に関するプロジェクトを起こし、それらを実現へと導いてきました。長年にわたる重要な研究分野は、衝突時の乗員と歩行者の保護。そして、運転環境を向上させ、ドライバーのストレスを軽減することで事故を未然に防ぐことも重要な研究分野です。これには、エルゴノミック コンセプトやノイズの軽減、革新的な照明システムの活用などが含まれます。近年ではすべてのモデルセグメントにおいてドライバーアシスタンスシステムの重要性が高まっており、フォルクスワーゲンのup!にも搭載されるシティ エマージェンシーブレーキ機能から、アウディ プレセンス プラスなどの最高レベルの機能までが挙げられます。
新技術を競争力のある価格で提供することにより世界中のマーケットに広めることもまた、アウディとフォルクスワーゲンの哲学の一つです。この為の重要な要素が、効率的な開発と生産工程による生産ボリュームの多さです。近いうちに第2世代がローンチされるモジュラー縦型マトリックスや、モジュラー横型マトリックスがこれに大きく貢献しています。Dr. ハッケンベルクは、責任者としてこれら両方のモジュラープラットフォームの開発の指揮をとりました。
汎用化には協力も欠かせません – アウディのワールドワイドな研究開発ネットワークには、中国の4つのトップクラスの大学が含まれています。2007年よりDr. ハッケンベルクは上海の同済(Tongji)大学で客員教授として教鞭をとっています。その2年前よりDr. ハッケンベルクの主導により同大学はフォルクスワーゲンAGと交通事故対策のジョイント研究プロジェクトを立ち上げています。
ライプチヒのディーゼルリング賞授与式において、Dr. ハッケンベルクは今後の展望の一端を紹介しました。アウディは2020年までに、自動運転の新技術を発表する予定です。これにより、様々なシチュエーションでのドライバーの負担が軽減され、事故を未然に防ぐ効果が期待されます。自動運転への重要な要素が、車両のシームレスなネットワーキングを確保することです。これにはcar-to-Xコミュニケーションも含まれます – 滑りやすい路面や交差点での通行車両などを車両がお互いに知らせ合うことで危険を警告することができ、その結果、すべての交通利用者が安全に通行できる、全体としてのインテリジェンスが確立されるのです。
ドイツモータージャーナリスト協会(VdM)は1955年以来毎年、「交通安全性を高め、事故の影響を低減」することに多大な貢献をした人物にディーゼルリング賞を授与して来ました。賞の名称は、ルドルフ ディーゼルによって製作された最初のテストエンジンのボルトの一部がゴールデンリング トロフィーに埋め込まれたことから来ています。エンジンのボルトの一部はこのために、1954年にアウグスブルクのMAN博物館において提供されました。